6月4日(火)第2回目のおやつ教室も、講師の先生方、参加者の皆さんと和やかに開催できました。
今回のおやつ教室は、いつもの料理教室とも、1回目のおやつ教室とも、また少しだけ趣が違う様相となりました。
いちばんの大きな要因は講師にクルドのお母さんが3人来てくれたこと。
何故3人も?そこは日本語能力に大きな要因があります。
昨日のおやつレシピに登場のドトゥル、このおやつ、簡単そうでいて意外と奥が深い。
上手なお母さんは実は日本語があまり得意ではない。そこで助っ人に登場いただく事になりました。いつもなら日本語の上手なお母さんに講師をお願いするところなのですが、担当者の胃袋の欲求の方が勝ってしまいました。
参加者の人数が減ったこともあり、クルドのお母さん3人に参加者4人、という構成。
いつもと違って、クルド語も飛び交います。
敢えて日本人とせずに参加者としたのは、参加者には国籍は関係ないから。
先生方の会話が分からないのは、担当としては参加者に対してどうしたものかな?とも考えていたのですが、そこは察して、ところどころ話の内容を日本語で通訳してくれました。
うん、わかってくれている感がとても嬉しい。
そう、この教室はおやつや料理を教えてもらう事は勿論ですが、なによりクルドのお母さん達と参加者との垣根を取り払う、壁を低くすることも大きな目的だからです。
そう、大切な井戸端会議の場でもあるのです。
かしこまって意見交換でもなく、素の顔で会話ができる場。クルドのお母さん達は、もともと、村でみんなでパンを焼くときや作物を収穫するとき、あるいはオヤを編むときなど、皆で会話を楽しんでいたようです。まさに井戸端会議ですね。
井戸端会議はおやつを作り終わってからが本番です。
チャイを飲み、おやつを食べながら、トルコでの暮らし方、日本での暮らしについてなど、話は尽きません。
その中で、気づいた大切な事を今日はここに書く事にしました。
おやつ教室のブログに書くべきことなのか、迷うところではありましたが、教室の目的がおやつの作り方を習う事だけではない事から、あえてここで書くのも良いかと考えた次第。
差別だ偏見だとかいう言葉を耳にすることが残念ながら多いこの頃です。
本当に残念ですが、差別、偏見は勿論存在します。
最近はヘイトスピーチなどと言う言葉もよく聞かれると思いますが、最近のデモを含むヘイトスピーチはまた別な問題として認識すべき事だと考えていますが。。。
差別されていると考えている事、感じている事の中に多くの誤解が含まれている事が昨日の井戸端会議の中でもよくわかりました。
そして、「それは誤解だよ」と伝えても、中々うまく伝わらないこともよくわかりました。
上手く伝わらない原因はいくつもあります。
先ず、言語、そして今まで実際に差別され続けてきた歴史。
歴史などと言うと大げさなと思われるかもしれませんが、彼女たちは日本に来てからだけではなく、トルコでも差別され続けてきました。民族的にはそのずっと昔から。それらの背景から、自分の周りで起る様々な不都合を差別だと感じさせてしまうのだとも思うと悲しくなりますね。でも、何かはきっと伝わったはずだと思っています。
例えば通学区の話。少し前までは子供の通学する学校が選べていたと言うことも誤解を生む原因の一つですが、同じマンションに暮らす者でも、希望する中学へ通える子とそれが許可されない子がいます。それにはもちろん理由があるはずなのですが、その理由を自分たちがクルド人で不安定な身分だからだと考えてしまいがちです。
現実には、相応な理由によって希望する中学への通学が許可されたのですが、相応な理由を伝えるにも、相応な理由にはどんなものがあるのかを知るためにも、言語の壁がそこにはあります。
もちろん言語の壁を取り払うためには双方の努力が必要なのですが、つい、理解が及ばない事はみな差別だと考えてしまうのだと言うことが昨日の井戸端会議でよくわかりました。
とっても小さなことのようですが、こんな誤解や、すれ違いが摩擦を生むのでしょうね。
この事象はクルド人だけではなく、実は日本人の中にもよくありますね。
正しい理解の大切さをあらためて考えさせられた、そんな井戸端会議。
完全に誤解を解く事は出来なかったまでも、何かが少しは伝わってくれたはず。
そのためにも相互のコミュニケーション、信頼関係を構築することは重要だよね、などと
しみじみ考えながらおやつ教室のブログにこんなことを書いている次第です。
ところで、第2回目のおやつ教室、おやつはそれはそれは美味しゅうございました。
以前に何度もドトゥルを食べた事のある参加者さんにも、今回のドトゥルがいちばん美味しい!と仰っていただけました。私もそう思いました。ちょっと無理してでも彼女にお願いしてよかった♩とホット胸をなでおろす担当者でもあります。
ラマダン前の宗教的な意味を持つカンディルのシミット。実は今一つ名前の意味を理解できていない担当者ですが(汗)こちらも今まで食べたどの塩クッキー(トゥズ クラビエ)よりも美味しくいただきました。
このドトゥルも街には専門店があるようなお菓子ですが、次回のROJI NO KOUBOUの教室は 正に専門店の味が日本でも注目の「バクラバ」を作ります。
今回のドトゥルやカンディルシミットは参加者も参加しておやつを一緒に作りましたが、バクラバは、ほぼデモンストレーション形式の教室になりそうな予感もします。
それだけ難しいのです。
アンテップのピスタチオたっぷりの手づくりバクラバ、是非この機会にご賞味下さいね。
イベントページからお申し込みいただけます。
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